過去の記憶に苛まされる日が多い。
時間は治療薬と言われて、自分もそう信じていた。
時がたてばいずれは癒えるだろうと…。
だが、そのようなことはなかった。
むしろ、動かさない筋肉のようにどんどん硬くなっていってしまう。
それは強固に記憶の片隅に自分の領地を主張し、
さらにはその領地を増やそうと躍起になっているかのようだ。
人間の脳というものはなんと優れているのだろう。
そして、なんと融通の利かないものだろう。
HDDのように、いとも簡単に削除できれば…。
そして、好きなjpgやmp3でどんどん埋めることができれば、
どんなにかいいだろう…
今日もボクの記憶は、
"過去"という名の他国に侵犯されて続けて、
あたかも、"過去"自らが正当な主権国家だと
記憶の中で主張し続けている。